「羊をめぐる冒険」の翻訳(91)

「羊をめぐる冒険」の翻訳(91)

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部屋に帰ると、郵便受けには夕刊と一緒に手紙が三通入っていた。一通は銀行からの残高通知で、一通はどう転んでも退屈そうなパーティーの招待状で、一通は中古車センターのダイレクト?メールだった。ひとつ以上のクラスの車に買い換えると人生が幾分明るくなるといった意味の文章が書いてあった。余計なお世話だ。僕は三通の手紙をかさねてまんなかから破り、屑かごに捨てた。

冷蔵庫からジュースを出してグラスに注ぎ、台所のテーブルに座って飲んだ。テーブルの上にはガール?フレンドの残していた書き置きがあった。食事に出る?九時半までに戻る、と書いてあった。テーブルの上のデジタル時計は現在の時刻が九時半であることを示している。しばらく眺めているうちにその数字は31に変り、もう少しあとで32になった。

時計を眺めるのにも飽きると僕は服を脱いでシャワーに入り、髪を洗った。浴室(よくしつ)には四種類のシャンプーと三種類のリンスがあった。彼女がスーパー?マーケットに行くたびに何かしら新しい雑貨を買い込んでくるせいだ。風呂に入ると必ず何か増えている。数えてみるとシェービング?クリームが四種類、歯みがきのチューブは五本もあった。順列組みあわせにすれば大変な数になる。浴室を出てジョギング用のショート?パンツとTシャツに着替えると体にまとわりつくような不快感は消え、やっとすっきりした気分になった



十時二十分にスーパー?マーケットの紙袋を下げて彼女が帰ってきた。彼女はいつも夜中にスーパー?マーケットに行く。紙袋の中には掃除用ブラシが三本とペーパー?クリップが一箱と冷えた缶ビールの六本パックが入っていた。僕はまたビールを飲むことになった。

「羊のことだったよ」と僕は言った。

「だからそういったじゃない」と彼女は言った。

冷蔵庫からソーセージの缶詰を出し、フライパンでいためて食べた。僕が三本食べ、彼女が二本食べた。台所の窓から涼しい夜の風が入ってきた。

僕は会社で起った出来事を話し、車のことを話し、屋敷のことを話し、奇妙な秘書のことを話し、血瘤のことを話し、背中に星印のついたずんぐりした羊の話をした。ずいぶん長い話で終った時には時計の針は十一時を指していた。

「ということなんだ」と僕は言った。





  回到房子,在信箱里放有晚报和三封信。一封是从银行寄来的余额通知,一封是转来的无聊的酒会的邀请函,一封是中古车中心的信。在那封信上面写有,若更换一辆上等的车,人生也就更有意义了。真是多余的事。我把三封信叠在一起从中间撕开,扔到垃圾筒。

  从冰箱里拿出果汁并倒入杯中,坐到厨房桌子那里喝。桌子上面留有女朋友所写的纸条。上面写有:出去吃饭,9:30回来。桌子上面的数字时钟所指示的时间是9:30。正在看着时过了一会儿其数字变成31,又过了一会儿变成了32。

  把钟表看够后,我脱了衣服开始淋浴,洗发。在浴室有四种洗发液和三种护发素。她有个怪癖,每去超市就要买些什么新东西。一进入浴室肯定会看到会增加什么东西。列数一下看到刮脸奶油膏四种,牙膏五袋。若排列组合的话那是很可观的数字。走出浴室穿上健身用的短裤和衬衣,缠绕在身的不快感消失了,也终于舒畅了一点。



  10:20放下超市的袋子,她回来了。她总是在夜里去超市。纸袋当中放有扫除用的刷子三个,纸夹子一箱,冰冻的啤酒六瓶。我又开始喝啤酒了。

  “就是羊的事。”我说。

  “所以,我不是说过吗?”她说。

  从冰箱里拿出肠罐头,用平底锅煎一煎吃掉。我吃了三根,她吃了两根。凉爽的夜风从厨房的窗吹了进来。

  从公司所发生的事开始,我讲了车,讲了豪宅,讲了奇妙的秘书,讲了血瘤,还讲了在背上印有星印的矮胖的羊。讲的话很长,讲完的时候时针已指向了11点。

  “就是这么一堆事。”我说。

主人公的女朋友有特殊功能,可预测未来。对主人公冒险寻找特殊羊之事也早有预料。
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随心学


 では、定職について家庭を持っている大人の何人が、果たしてそのアイデンティティを持っているのか、考えてみる必要がある。会社と自己を同一視する「会社人間」、偏狭な民族主義と自己を同一視する国家主義者、特定の政党や宗教団体と自己を同一視した人間も、ある種のアイデンティティを持っているとは言える。しかし、本来のアイデンティティとは「個」に立脚した自我実現であり、外の集団に心理的に依存した帰属意識ではない。いわんや、国家や企業や諸集団への帰属や地位などの「肩書き」でもなければ、収入の多少、知名度や名誉の有無でもな